電子情報工学科の講義の紹介
僕が電子の学生なので電子の講義しか紹介できませんが、みなさんが入学してから受けることになる講義の一部を紹介します。ちなみに赤字で書いている科目は必修科目です。講義の詳しいことが知りたかったら、先輩に聞いたりシラバスを見たりしてください。



1年前期
解析I 線形代数I 離散数学 プログラミング 計算機システムI 運動科学I 化学 基礎物理学I
英語I/II 言葉と文化I 人文社会入門科目I 
電子情報工学入門

1年後期
解析II 線形代数II データ構造とアルゴリズム 計算機システムII スポーツ健康科学論 オートマトン理論 微分方程式
計算機通信基礎 基礎物理学IIE 英語III/IV 言葉と文化II 人文社会入門科目II 情報工学基礎実験I

2年前期
プログラム設計 電気回路E 論理設計 確率・統計 応用解析 応用数学 電磁気学I・同演習 ネットワークアーキテクチャ
情報工学基礎実験IIE 選択英語 第二外国語I 人文社会科目 運動科学II

2年後期
オブジェクト指向プログラミング 情報理論 計算機アーキテクチャE 回路とシステム 電磁気学II 現代物理学I
電子情報工学実験I 選択英語 第二外国語II 運動科学III

3年前期
電子情報工学実験II アルゴリズム設計E オペレーションシステム 現代物理学II 電子回路IE デジタル信号処理
電子情報セミナーI 電子物理 など

3年後期
通信理論 電子回路IIE 半導体工学 デジタルコンテンツ コンピュータグラフィックスE 
電子情報セミナーII など




数学系科目
解析I/II

解析の講義では、高校まででやってきた微積分をさらに発展させたものを学びます。具体的には解析Iでは広義積分やマクローリン展開というものを、解析IIでは偏微分や重積分というものなどを学びます。解析Iではクラス分けテストを行い、その結果によってクラス分けが行われます。クラス分けテストで点数が低かった人は、解析Iの講義をたくさん受けさせられて(
解析リメディアル)ダルいので頑張ってください。

線形代数I/II
線形代数ではベクトルと行列について学びます。行列と言うのは数を縦横に複数並べたもののことで、詳しいことは調べてみてください。僕らの頃は高校で行列を簡単に勉強していましたが、今の新入生は大学に入って初めて行列を習うことになるので大変だと思います。行列の計算は、解き方さえ覚えたらあとはひたすら大量の算数レベルの計算をやるようなものなので、計算ミスさえ気をつけたらそんなに難しく無いと思います。

離散数学
離散数学は、高校の数学Aで習った命題だとか真だ偽だ対偶だとかそういうことをもっと掘り下げて勉強します。コンピュータの回路の仕組みを理解するのに欠かせない考え方です。電子の離散数学は過去問の入手で単位が取れるかどうかが決まると言って過言ではありません。詳しいことは先輩に聞いてください。

確率・統計
確率・統計は、高校までの整数ごとの場合の数や確率と言ったものではなく、密度関数というものを使って[1,2]のこの区間にこの事象がこれくらいの確率で分布しているなどという勉強をします。情報系においては線形代数と並んで確率・統計の講義は大切です。

応用数学
応用数学では、複素数を交えた解析学である複素解析などを学ぶ講義です。コーシーの積分定理だとかそういうことを勉強します。高校数学の新課程で行列が消えた代わりに複素平面を習うことになったみたいですね。



物理科目
基礎物理学I/IIE

力学・熱力学を学びます。高校までの物理の考え方を、微積を用いて考えて行くことになります。高校の物理が理解できていないとキツいと思いますので、推薦で入った人なんかは特にがんばる必要があると思います。

電磁気学I・同演習
電子で苦労する人が多い科目です。そのため他の講義の倍の30回の講義が行われます。電磁気は問題をたくさんこなすなどして、各章ごとにしっかり理解を深めていくことが大切です。電磁気では毎週課題が出され、小テストが行われます。

電磁気学II
必修じゃない上に電磁気Iが難しかったので、取る人は少ないです。

現代物理学I
Iではいわゆる量子力学というものについて学んでいきます。聞いたことがある人もいるかと思いますが、シュレディンガーの猫なんてものもその量子力学の範疇です。IIでは統計熱力学というものを学びます。

電気回路
高校物理でやったことを更に発展させ、Y-⊿変換やテブナンの定理などを学習したり、交流回路について学習します。


情報系科目
プログラミング

「パソコンの使い方を習熟していない人がいることを前提に講義するから大丈夫」なんてパンフレットに書いてあった気がしますが嘘っぱちです。基本的なパソコンの使い方はわかってるものとしてプログラミングの講義なんかは進んでいきます。最初はLinuxというコンピュータシステムの使い方について、それからC言語というプログラム言語の初歩から入っていってだんだん高度な内容になっていきます。1年後期の
データ構造とアルゴリズム、2年のプログラム設計などの科目の基礎になります。

電子情報工学入門
班でプレゼンテーションをしたり、電子の教授の研究の紹介があったりする講義です。

計算機システムI
2進数とは何か?やフリップフロップ回路という回路、コンピュータの演算の仕組みなどコンピュータの仕組みの基礎的な部分を学んでいく講義です。この講義で学んだことは後期の
計算機システムIIや2年の計算機アーキテクチャといった講義に活きてきます。

計算機システムII
学科によって講義のスタイルは違うみたいですが、電子では演習系の科目になります。前半ではH8マイコンというマイコンを、後半ではArduino(アルディーノ)というマイコンを使い、マイコンにプログラムを書き込んで、繋いだモータを制御したりLEDを光らせたりします。実験と並んで電子の1年後期を忙しくする要因の1つ。どうしてもプログラムが分からなかったらTAさんや分かる人、先輩などに泣きつきましょう。

オートマトン理論
コンピュータのプログラムが動作する際のアルゴリズムなどを理解するために必要な理論などを学びます。初歩的なオートマトンから、現代のコンピュータの基礎となるチューリング機械、言語とはどのようなものかといった理論などまでを。

計算機通信基礎
インターネットの歴史や現状、その仕組みなどについて学んでいきます。インターネットの身近な部分から、世界と繋がる仕組み、それを裏で支えるアルゴリズムや工夫などを学びます。この講義で学んだことは2年次のネットワークアーキテクチャという講義に繋がります。

論理設計
コンピュータを動作させる上で欠かせないものに2進数やANDやORなどの論理演算がありますが、それらを使用するための論理回路の基礎を学ぶ科目です。計算機システムIで習得した知識などが活きてきます。

電子回路
トランジスタなどを使用した回路について学びます。かなり難しい科目です。

情報理論
ネットワークアーキテクチャの講義で少し触れた誤り訂正だったり、なんとか符号だとかをたくさん学びます。

実験科目
情報工学基礎実験I

1年後期から3年前期までずっと付き合うことになる実験科目です。1年後期のこの実験では、オシロスコープやらノギスやらデジタルマルチメータやらの計測器の使い方を習得したり、実験で計測したデータの扱い方について知り、実験レポートの書き方について学んでいくことになります。そのため、実験レポートの出来が悪かったとしても2年次の実験みたいに怒られたり、3年次の実験みたいに教授が不機嫌になったりすることはありません。なので、この半年間で実験のデータの扱いやレポートの書き方に慣れておきましょう。

情報工学基礎実験IIE
2年前期の実験科目です。この実験では、基礎実験Iで学んだことを少し発展させて、論理回路を組み立ててその動作を確かめてみたり、計シスIIでも少しやったADDA変換について学んだりします。また、パソコンをバラして組み立てることをやります。

文系科目
英語I/II/III/IV

九工大の英語は出席さえ真面目にしとけば単位を落とすなんてことはまず無いです。英語はTOEICを受けさせられて、その結果を元にクラス分けが行われます。ちなみに1年時に英語I-IVまでを履修し、2年次には選択英語と呼ばれるものを履修することになります。

選択英語
英語I~英語IVまでの単位をすべて取得し、2年次以降で受けることになる英語です。R3Sとか、L3Sなどと書かれています。最初のアルファベットは、リーディングやリスニングなど英語のクラスの内容を表します。数字はTOEICのスコアによるクラス分けを表していて、ある程度以上のスコアの人は3を、あまりスコアが取れていない人は1を受けることになります。選択英語のクラスは予定していた人数を超えて抽選になってしまうことが多く、受けたい先生の英語を受けられないことも多いです。しかも、英語の必要単位数が引き上げられたにもかかわらず、開講される英語のクラスが増えていないという意味不明な状態になっているらしいです。

言葉と文化I/II
ドイツ・フランス・中国の言語および文化について学びます。前期のIでは3カ国を5回ずつ受講することになり、後期ではそれを元に1カ国を選んで受講することになります。言葉と文化は2年次の第2外国語の基礎になります。総合大学ではないので、第2外国語を3ヶ国語からしか選べないのは残念。

第二外国語科目
・ドイツ語
・フランス語
・中国語

人文社会系入門科目
・法律学入門
・文化人類学入門
・経済学入門
・日本語とコンピュータ入門

人文社会系科目
・法律学
・社会学
・地理学
・文化史
・文化人類学
・心理学
・経済学     ・・・など



体育系科目
運動科学I/II/III

九工大では1年前期と2年の前後期に体育の講義があります。必修です。2年次にも体育が必修というのは珍しいですね。運動不足の情報工学部生のことを考えてそうしてあるのでしょうか。1年前期の運動科学Iでは5種目を2回ずつ受け、2年次の体育ではそのなかから1種目を選んで履修することになります。ちゃんと出席していれば、どんな運動音痴でも単位はくれます。じゃなかったら僕は単位を落としていたと思います。なので、運動が苦手な人も安心してください。体力測定をやったり、運動科学Iの最終回では、水泳か救急救命法の講座を選んで受講することになります。雨が降っている日には大縄をしたりすることがあったりも。

スポーツ健康科学論
1年後期の講義です。人のこころとからだについてなど学んでいきます。これも真面目に出席さえしてれば単位は取れると思います。この講義は3人の教員で担当しますが、教員によってはトイレにいくのに声をかけろだとか面倒なことを言ってきます。



その他の科目
技術者倫理
必修で日曜日の集中講義という、意味がわからない科目です。技術者として必要なモラルや責任について学ぶ、らしいですけど僕はこの講義の意味を感じられませんでした。

キャリア形成概論
九工大OBの方が自分の企業や業界の紹介などを行われる講義です。この講義は15人の方が1コマずつ講義されます。集中講義で行われます。出席に少し厳しいことと、出すレポートの数が多めですが、レポートを出しさえすればほぼ確実に単位がもらえるので受けておいて損はないと思います。