九工大とは
九工大は九州工業大学という大学の略称です。よく私立の福岡工業大学(福工大)や九州産業大学(九産大)など名前の似た大学と混同されることがありますが、れっきとした国立大学の1つです。それほど学生の数が多くないことや、総合大学ではないこともあり、決して知名度は高くありませんが、技術系の人々の間ではそれなりに有力な大学として名が通っています。英語の略称は大学公式が使用しているKyutechや学生の間で使われるKIT。簡単で分かりやすいKITではなく、Kyutechなどという略称を公式が使用しているのは、KITというインターネットのドメインを京都工芸繊維大学(ここもれっきとした国立大学です)という大学が使っているからです。

開学当初から北九州市戸畑区に位置する戸畑キャンパス(工学部・大学院工学府)と、1986年に設置された飯塚市の飯塚キャンパス(情報工学部・大学院情報工学府)、それから2001年に設置された北九州市若松区の北九州学術研究都市内に位置する若松キャンパス(大学院生命体工学研究科)の3キャンパスからなります。

九工大はもともと、筑豊炭田における技術者養成を目的として、私立明治専門学校(略称:明専)として1908年に設立されました。あえて"工業"の文字を入れなかったのは、将来的に総合大学にする構想があったからだと言われています。その後1921年に国に移管され、1949年に新しい学制のもと九州工業大学となりました。現存する国立大学の中では唯一、私立学校を源流に持っているという特徴があります。明治専門学校の名残として、九工大の同窓会は「明専会」という名前です。他に私立明治学園小・中・高があります。これは明治専門学校の附属小学校がもとになっていて、明治専門学校が国に移管された際に附属の小学校が私立として残り、戦後になって中学・高校が開設されたという経緯があります。

僕がいる情報工学部は、1986年に日本初の、そして今日に至るまで国立大学では唯一(他は公立の岡山県立大学・私立の福岡工業大学に情報工学部があります)の情報工学部として設立されました。情報工学部のある飯塚キャンパスは筑豊地方の飯塚市というところにあるのですが、この飯塚市はかつて筑豊炭田として石炭の採掘で栄えました。しかし、エネルギー転換や外国の石炭に押される形で炭鉱が閉山してしまい、その振興策としてあの麻生太郎さんが情報工学部を飯塚市に誘致し、開設されました。

九工大はカリキュラム的に大変で、留年する人が多いです。九工大の情報工学部は5つある学科すべてが日本技術者教育認定機構、JABEE(ジャビー)という機関から認定を受けています。これは大学のカリキュラムが技術者を育てるための教育としてどうなのかといったことを審査したりするものです。そのために出席に対して厳しかったりして、余計に留年する人を増やす原因になってます。以上より端的に言うと、九工大の学生からJABEEは恨まれています。

九工大の構成
九工大は先述の通り、戸畑・飯塚・若松の3キャンパスを持ち、2学部・2学府・1研究科とそれらに付随する組織・機関からなります。

戸畑キャンパス(1908-)
福岡県北九州市戸畑区仙水町1-1 院生含めておよそ3000人の学生が所属
JR鹿児島本線九州工大前駅下車後南に徒歩10分程度
九工大の本部があるキャンパスで、建物の多さや敷地の広さも含め、3キャンパスの中でもっとも大学らしさを感じることができるところです。100周年記念で工事がされたので、3キャンパスの中で一番きれいな気がします。情報工学部生の学生は入試の時か、サークル等で戸畑の学生と交流があったりだとか、何かの試験を受けに行くときぐらいしか用がなく、僕も数えるほどしか行ったことがありません。
工学部
  機械知能工学科・建設社会工学科・電気電子工学科・応用化学科・マテリアル工学科・総合システム工学科の6学科があります
大学院工学府

飯塚キャンパス(1986-)



福岡県飯塚市川津680-4 院生含めておよそ2300人の学生が所属
JR福北ゆたか線新飯塚駅下車後バス・タクシー利用
僕が通っているキャンパスです。人数がそんなに居ないことや、工学部のような大掛かりな施設があまりないこともあって、正直言ってテレビで見たりするような大学っぽさは全然ないです。山を削って作っているため、大学内は階段と坂だらけです。開設から30年という区切りを迎えたためか、ここ最近あちらこちらで新しい建物が建ったり補修工事が行われたりしています。
情報工学部
  知能情報工学科・電子情報工学科・システム創成情報工学科・機械情報工学科・生命情報工学科の5学科があります。  各学科の説明についてはこちらから
大学院情報工学府

若松キャンパス(2001-)
福岡県北九州市若松区ひびきの2-4 大学院生のみおよそ400人の学生が所属
普通の学部生には用のないところなので、僕は行ったことがないです。大学院入試に失敗した場合、ここの入試を受けて若松キャンパスに院進する人もいるみたい。北九州学術研究都市と呼ばれるところの一角に建っており、まわりは北九州市立大学のひびきのキャンパスがあったり、大学や企業の研究機関が多いみたいです。
大学院生命体工学研究科